コロナ渦の問題で運送業は人材不足により、新たな人材を求めています。物流を支える4tトラックは特にこれから運転手や整備士で携わる方が多くなると予想されます。そんな4tトラックに携わる方や、4tトラックについて詳しく知りたい方など、意外と知られていない4tトラックの世界について詳しく、分かりやすく解説します!
4tトラックの定義とは?
4t(4トン)トラックとは、車両総重量8トン未満・最大積載量を5.0トン未満までのトラックのことをいい、中型トラック車両に分類されます。全長12m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下と、規定のサイズに余裕があるため様々なタイプのボディを持てるのが特徴となります。定員は運転席、助手席、補助席の3名仕様となり、後部にはベットルームが配置されるトラックもあります。長距離の運転などで休憩として使える便利なトラックです。
4tトラックは普通免許で乗れる?
以前は4tトラックも普通免許で乗ることができていましたが、道路改正法が改正されることにより変わってしまいました。
【普通免許で4tトラックが運転できる】平成19年6月1日までに普通免許を取得
平成19年6月1日までに普通免許を取得していれば、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満のトラックを運転することができます。この日付までに普通免許を取得した方の運転免許証には「中型」という記載があります。「中型」の記載があれば普通免許でも4tトラックを運転することが可能になります。
【普通免許で4tトラックの運転ができない】平成19年6月2日〜平成29年3月11日までに普通免許を取得
平成19年6月2日から平成29年3月11日までに普通免許を取得していれば、車両総重量5t未満、最大積載量3t未満のトラックを運転することができます。上記期間で普通免許を取得すると免許証に「準中型」の記載があります。「準中型」となると3t未満のトラックになってしまうため、残念ながら4tトラックの運転はできません。
平成29年3月12日以降に免許を取得したら2tトラックの運転はできる
平成29年3月12日以降に免許を取得したら、車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満のトラックしか運転できません。2t未満のトラックとなると運送業では宅急便やコンビニなどで使う2tトラックとなってしまいます。
4tトラックのボデー形状は?
トラックの面白いところは、トラック本体(シャーシ)と荷台(ボデー)を組み合わせて乗るところです。特に4tトラックともなるとボデーの形状が様々です。運ぶ荷物や長距離、中距離などで使えるよう様々な仕様に改造できるのが魅力です。ここでは4tトラックのボデーの形状について説明します!
平ボデー
あまり4tトラックでは見かけない、荷台がフラット型のトラックです。鋼材や木材を運んだり、小型のクレーンを積んで重機を運ぶなどに活躍します!雨風を気にしない荷物や、クレーンを使うことで天井が不必要なトラックに使われています。
バンボデー
荷台がアルミ製の箱型のトラックです。軽量物や長い荷物を運ぶのに便利です。平ボデーとは違い風雨から荷物を保護することができます。
ウイングボデー
バンボデーと見た目はよく似ていますが、両サイドの壁が羽(ウイング)のように上がる仕組みになります。重量物をフォークリフトで直接荷台に搬入する事ができ、荷物の出し入れがしやすいのが特徴です。4tトラックでは一番多いボデーと言われています!
冷凍冷蔵車
荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになるトラックです。乳製品や冷凍食品を運んだり、生鮮食品を新鮮なまま運んだりと食品の物流をを支えています。大手スーパーマーケットや、各メーカーの看板が入った各社独自の冷凍冷蔵車があり見ていて楽しくなります!
ダンプ車・ミキサー車
荷台に土砂や廃棄物を積んでいるのが「ダンプ車」、コンクリートを固まらせずに運ぶのを「ミキサー車」といいます。ダンプ車の荷台を上げたり、ミキサー車のミキサーを回し続けるには動力が必要です。この動力はエンジンからPTOというシステムを使い動力を得ています。また荷台の土砂などをこぼさない様に荷台の両サイドにテントでカバーをするなどの工夫がなされ、この装置をコボレーンといいモーターなどの動力で動かしています。
各トラックメーカーの4tトラック
ここでは日本トラックメーカーの4tトラックの車種名をピックアップしてご紹介します。街で良く見かけるけど、あのトラックって何だろうな~、どこのトラックかな~(かなりのトラック好き!?)と思う方必見です!
いすゞ自動車
4tトラックの国内シェアNo1を誇るのは、いすゞ自動車の4tトラック「フォワード」です。フォワードの歴史は1970年発売と古く、長きに渡り親しまれています。現行の5代目フォワードはスマートでフラット顔が特徴です。とてもシンプルで飽きのこないモデルとなります。乗り手を満足させるエンジンの力強さは必見です。
フォワードの特徴と言えば、スムーズなシフトチェンジが可能なセミオートマのスムーサーという便利なミッションです。スムーサーはマニュアルの長所とオートマの長所を両立させ、とても運転しやすくなる事で知られています。トラック初心者でも安心して乗れるのが選ばれる理由ですね。このフォワードは海外でも人気の車種で中国、東南アジア、南アフリカで多く走っています。個人的な話になりますが、僕が以前タイに行った時にフォワードが多く走っていて驚きでした。世界でも選ばれるフォワードは乗りやすさが自慢の4tトラックです。
日野自動車
日野自動車の4tトラックといえば「レンジャー」です。レンジャーの歴史も古く、なんと初代は1964年と50年以上愛され選ばれてきました。なんといってもレンジャーの特徴はトップクラスのエンジン馬力と言えます。長距離走行や急な勾配でもスイスイ走ってくれます。その力強さはあの過酷で有名なモータースポーツ、ダカール・ラリーで実証済みです。多くの栄冠を取るレンジャーは日本国内のみならず海外からも多く注目を集めています。
整備士の方や運転手に話を聞くと、整備のしやすさではレンジャーがNo1と口を揃えて言いいます。特にオープンボンネット内のレイアウトが点検しやすいと評判です。また、自動変速機能のPro Shift 搭載車では、ギヤをフル活用し燃費効率の良い回転域を自動的に選択してくれます。初心者のドライバーでも、熟練のドライバーのような効率の良いシフトチェンジが可能です。効率の良いシフトチェンジは燃費の向上に貢献し、さらなる低燃費と走行サポートが可能になります。力強さと燃費の良さはレンジャーの特徴とも言えます。
三菱ふそうトラック・バス
三菱ふそうの4tトラックと言えば「ファイター」です。こちらは初代が1984年と、比較的後発になります。日本国内ではシェア3位とはいうものの、メルセデス・ベンツを中心としたドイツのダイムラー社の連結子会社でもあることから海外では人気が高く、特にアジア圏を中心とした海外市場ではトップクラスとなっています。ふそうの特徴はエンジンと言えます。今では欠かせない新エコカー減税にも対応した環境性能は高く評価されています。ファイターは力強く、省エネが魅力であり安定した走行感が得られます。意外と高評価なのがノイズの低さです。長時間運転するのにノイズがあると疲れてしまします。低ノイズなので長距離でも気にならないのがファイターの特徴と言えます。
UDトラックス
UDトラックスの4tトラックは「コンドル」です。初代は1975年と意外と古く、2017年4代目まで自社で生産をしていましたが、2017年以降の5代目はいすゞ自動車のフォワードのOEM車となっています。また3代目には日野自動車のエンジンを搭載するなど、日野自動車の力強いエンジンとUDトラックスの安全性能を掛け合わせた4tトラックが好評となりました。4代目コンドルの特徴はなんといっても高性能エンジンにあるでしょう。4tトラックに採用されているエンジンはGH5型で、軽量・コンパクトが特徴、高効率を実現する頼もしいエンジンと言われています。積車時の坂道発進などではエンジンに負荷がかかる時に大きな威力を発揮します。シフトレバーに設置されたスイッチを押すだけで発進ができる1速発進モードもドライバーの強い味方です。日本国内シェアでは1歩遅れを取っていますが、昔からの根強いファンがたくさんいるのと、実は価格の安さでもコンドルは人気を集めています。
4tトラックの今後が楽しみ!
4tトラックは日本の物流を担う存在です。街で4tトラックを見ない日はない、と言うぐらい走っていますよね。各社様々な特徴を生かし、4tトラックのファンを増やしているのです。長距離も多い4tトラックは力強さ、低燃費、安全性、運転のしやすさが求められています。自動走行やAIなどこれからも様々な特徴を生かした4tトラック が出てくるのが楽しみですね!
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